お客さまの被災で痛感したこと
グートンライフは、1995年の12月に法人としてスタートしました。
同じ年の1月には、阪神淡路大震災が起きました。
この時はたくさんの家が壊れ、その修繕のために、私たちは寝る間もないほどの忙しさでした。深夜まで、仕事の段取りで、川西市と神戸方面を走り回る毎日が続きます。
ある日、いつものように、神戸に行った時のこと。以前、店舗の内装をさせていただいた寿司屋さんのご主人と、ばったりお会いしました。
「地震は大丈夫でしたか?」と聞きますと、ご主人は「実は家内を震災で亡くしまして……」とおっしゃるのです。耳を疑いました。
震災当時、奥さまは足をケガしていて、木造2階建ての1階に寝ておられたそうです。足もよくなり、次の日から2階で寝ますね、と言われた翌日、地震が起きたのです。
1階が倒壊して、奥さまは帰らぬ人になりました。
建築にたずさわる者の責任とは
それまでにも、震災で多くの家が凶器となった現場を、たくさん見てきました。
涙ながらに話すご主人を前に、私は「こんなことが2度とあってはいけない、もっと強い家をつくらなければ」と心に誓ったのでした。
それからは、リフォームをさせていただく際には、見た目をきれいにすることにとどまらず、構造強度の必要性を、お客さまにきちんとお伝えすることを徹底しています。
家族が安心して暮らせる家づくりは、建築にたずさわる者の責任だと思っています。(「これからめざすもの」につづく)